こんにちは、スタッフニャンコのマオです。😺
ようやく朝晩が少し涼しくなってきたかなっていう今日この頃、みんな元気?😸
病院には時々、涙目だったり角膜が白く濁ってたり、目が小さくなってるニャンコがきます。
小さい時に、猫カゼ(猫ウイルス性鼻気管炎)を発症したニャンコたちだね。風邪っていうよりもインフルエンザに近い感じ。😽
寒い時期に生まれた子猫が感染して、目に後遺症が残っちゃったんだね。😿
秋の終わり頃~冬に生まれた子達。あと春の初め頃もまだ寒いよね。🙀
ニャンコは寒さに弱いから、ましてや子猫なら、家の中でも寒い環境だとテキメンに風邪をひくんだよ。😼
一般的には、生まれた子猫は生後2ヶ月間くらいは、ママから受け継いだ免疫で守られてるはずだけど、おっぱいを飲めなかったり、ママの免疫が十分でなかったりするかもしれない。😿
寒い時期に外で保護された子猫は、生後2ヶ月以内でもぐちゃぐちゃな目をして来院されることが多いよ。😺
ママがいない子猫は、暖かい時期でも危ないよ。大人みたいな保温能力がないからさ、大丈夫だろうって油断しないで、しっかり保温をしてあげてね。😺
逆に、ママや兄弟ニャンコと一緒でも、外みたいな寒い場所にいたら、やっぱり風邪をひいちゃうね。ママも。
ニャンコはほんとに寒さに弱いんだよ。😿
猫ウイルス性鼻気管炎の、主な原因ウイルスは猫ヘルペスウイルス1型で、感染猫のくしゃみや分泌液(鼻水、涙、目やに、よだれ)などから感染します。
ニャンコ以外のネコ科動物全員、ライオンとかトラとかチーターとかも感染するんだよ。😺
空気感染もするからさ、おんなじ部屋にいるとまず100%感染しちゃうね。😽
いっぱいニャンコのいるお家はね、風邪ひきニャンコを隔離しないとあっという間に全員が感染・発症しちゃうんだよ。😼
だから、多頭飼育のお家ほど、混合ワクチンを打っといた方がいいと思うよ。😽
ニャンコの混合ワクチンには猫ヘルペスウイルスも含まれていて、感染を防ぐことはできないけど、症状は軽症で済むはずだからね。😺
猫ヘルペスウイルスに感染するとね、ニャンコは3~4日で急に元気や食欲がなくなって、熱がでます。😺
そして鼻水が出るようになって、大きなくしゃみを連発するんだよ。😿
鼻が詰まって臭いがわからなくなったり、口の中や喉が腫れて痛かったりして、食欲が無くなる子もいるよ。
そういう子は、特に子猫と老猫と痩せたニャンコには、強制給餌が必要なの。
何日も食べずにいると死んじゃうかもしれないし、栄養をしっかり摂らないと治る病気も治らないでしょ?😽
猫ヘルペスウイルスは、一旦症状が回復しても神経節(三叉神経節)に隠れて居座り続けて、体から消えることはないんだよ。完治はないってこと。😺
環境の変化とかストレスとか、免疫力が弱るたびに再発を繰り返すんだよ。😺
猫ヘルペスウイルス感染症は、子猫(初発)と大人猫(再発)では症状の出方が違うんだよ。😼
子猫の時に感染するとね、目と鼻に症状が出やすくて、特に目だね。😺
猫ヘルペスウイルス性眼疾患。
角膜炎とか、結膜炎とか、白目の充血だとか、目やにも出るし、目やにで上下のまぶたがくっついちゃったりするよ。
鼻水も出るからさ、ぐちゃぐちゃな顔になるの。😿
目が開く前後くらいの新生児眼炎では、猫ヘルペスウイルスと細菌が同時に感染して、まぶたと眼球の間に膿が溜まって、まぶたが大きく腫れるんだよ。😿
まぶたを開かせると、まぶたは浮腫を起こしてて、膿がどろっと出てくるの。🙀
治療が遅れるとね、まぶたや瞬膜が眼球に癒着しちゃったり、角膜に穴が開いて目が潰れちゃうかもしれない。😿
その後にぶどう膜炎や緑内障を発症する場合もあるんだよ。😿
だから、そうなる前に早めに、治療してあげたいよね。😺
治療は早ければ早いほどいいよ。😼
目の異常は一刻を争う一大事。『様子をみよう』は絶対なしだよ。😾🆖
目はほんとに大事だよ。ちっちゃい時に目が潰れちゃったら、片目とか両目とも何にも見えない状態で、その先一生過ごさなきゃならないんだよ。😿
そんなの悲劇でしょ?😿
治療は、一般状態や目や鼻や喉の症状に対する対症療法と、原因ウイルスや細菌に対する治療だね。😺
とにかくまず、①あったかくして(体を冷やさないで)、②十分な栄養補給と水分補給、③静かに休ませてあげること。😼
食欲がなければ強制給餌。ドリンク剤がおすすめだよ。😽
人間とおんなじで特効薬はないからさ、支持療法をしながら、自力で回復するのを待つんだよ。😽
免疫力の援護射撃として、インターフェロンの注射をする場合もあるよ。感染初期なら特に効果的。😺
抗ウイルス薬は有効だけど高価だったりするからさ、飼い主さんとご相談だね。
目には、抗ウイルス薬や抗菌薬の目薬、インターフェロンの目薬だね。😺
目薬は、鼻涙管(目から鼻への涙の通り道)で鼻にも抜けてくれるからね。
あとは、痛みを和らげるために瞳孔を開かせる目薬とか、角膜の乾燥を防ぐ目薬、角膜・結膜の炎症を抑える目薬とか。😺
癒着してしまったまぶたや瞬膜を、眼球から剥がす手術をするときもあるよ。😺
だけど、角膜に伸びた血管を消したり、白く濁った角膜を透明に戻すことはできないね。
角膜炎や結膜炎が慢性に経過すると、目やにが出たり涙目になっちゃうからさ、そんな時は目薬の点眼が必要になるね。😺
ちなみに、ヘルペスウイルスはアルギニンという成分を栄養として増殖する傾向があるって言われてるの。😺
このアルギニンを抑制する働きがあるのが、必須アミノ酸のリジン。
だから、以前はニャンコの風邪に『L-リジン』っていうサプリメントが処方されていたんだよ。
だけど、2007年、2008年の報告でその効果が疑問視されて、副作用の問題もあって、あんまり処方されなくなったの。
元々、ニャンコにあんまり評判が良くなかったしね。(苦くて不味い😹)
リジンは過剰に摂取すると、腎機能障害を引き起こす可能性があるとも言われているからさ、注意が必要だよ。
ちなみに、アミノ酸は L体 と D体 に分かれてるんだけど、リジンはL体しかないからさ、L-リジンも、ただのリジンも一緒。
ついでに『Lysine』の読み方の違いで、『リジン(ドイツ語読み)』と『リシン(英語読み)』もおんなじだよ。
最近は『リシン』も増えてきてるみたい。ややこしいね、統一してほしいよ。😽
以上、歳をとっても、瞳の輝きはなくしたくないなって思うマオでした。😸
僕って、写真撮ってもらうと目にキラキラ✨が出ないんだよね。どうして?😹
※時々お問い合わせをいただくのですが、診察を伴わない個々のご質問にはお答え致しかねます。申し訳ありません。