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血液検査は何のため?

 

私たちの病院では、毎年2回、『血液検査キャンペーン』を行なっています。

(6/1〜7/31、12/1〜1/31)

 

普段元気で、病院に来院される機会がないワンちゃんや猫ちゃんに、ワクチン接種の他にも病院で健康診断を受けていただきたいと思うからです。

 

ワンコもニャンコも、1年におよそ4歳ずつ歳をとると言われていますからね。

 

1年に2回でも、人間で言うと2年に1回の検診と言うことになります。

 

若くて健康であればそれでも良いのでしょうが、お年寄りや持病のある子はそうはいきませんね。

 

もう少し頻繁な検査が推奨されます。

 

 

 

『血液検査キャンペーン』は外注(院外)の検査所を利用することで、同じ内容の検査が院内検査よりもお安く受けられます。

 

さらに、院内検査では測定できない様々な検査をオプション検査として、こちらも普段よりもお安く受けることができます。

 

内分泌(ホルモン)検査や、ワクチン抗体価検査早期の腎臓病の検査などは、お年寄りの動物たちにお勧めです。

 

 

反面、元々院内検査よりも多めの血液が必要ですが、検査の項目数が多くなるほど採血する血液量が多く必要となります。

 

また検査結果は郵送のみのため、結果がわかるまでに1週間程度、時間がかかります。

 

検査結果は、あくまでも採血したその瞬間(過去)の結果です。

 

なので、検査結果を受け取った時点での身体の状況を、反映していない場合もあり得ます。

 

どうしても時間のズレが生じてしまい(結果がわかるまでの間に)元気そうだった子が、急に具合が悪くなることだってあるでしょう。

 

なので外注検査の場合は、検査結果と現在の状況を照らし合わせて判断する必要があります。

 

それと、日曜日がお休みの検査所に合わせて検体を送りますので、検査が可能な日は、土曜日以外の平日と日曜日です。

 

 

院内検査は、外注検査に比べて料金がかかってしまいますが、検査の結果が短時間でわかります。(15分ほど)

 

なので、リアルタイムに身体の状態を把握することができます。

 

採血量も少なくて済みますので、体の小さい子や、なかなかじっとしていられない子にお勧めです。

 

 

それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、うまく活用していただきたいと思います。

 

 

 

検査の結果、異常値に該当する項目がなければ、とりあえずは安心でしょう。よかったです。

 

けれど、全ての項目を検査したわけではありませんよね?

 

ひょっとしたら、調べていない項目に異常があるかもしれません。

 

私たちは、その子におすすめの検査項目についてお話しをしますが、全ての方が受けられるわけではありません。

 

後から、『あの時調べておけば、もっと早く病気を見つけられたのに😣』と、なる場合もあります。

 

当然ですが、検査の項目数が多ければ多いほど、網の目のように取りこぼし(見逃し)が少なくなります。

 

けれど、たくさん検査をすればそれだけお金がかかってしまいますし、その子にとって必要なさそうな検査も多いです。

 

なので私たちは総合的に判断して、その子にとって必要と思われる検査をお勧めしています。

 

医者の言うことは、聞いておいたほうが賢明だと思いますよ。😉

 

 

私たちは、検査の結果から生活習慣の改善のためのアドバイスをしたり、療法食やサプリメントをお勧めすることもあります。

 

検査をすることに意義が…確かにあるのですが、大切なことは、得られた結果を治療に活かしたり、生活習慣や食事の改善に活用することです。

 

そもそも検査って、その子に健康で長生きをしてほしいからするものですよね?

 

飼い主さまの中には、『検査をした!😌』という達成感で、安心して終わってしまう方がいらっしゃるようにも感じます。

 

せっかく動物たちが、怖い採血を我慢して得られた貴重な検査結果ですので、有効に活用していただきたいです。

 

 

例えば、肥満で肝機能の項目が高めだったり、脂質代謝異常(高脂血症)があれば、肝臓や胆嚢、膵臓、副腎、腎臓などの様子を確認するために、追加でレントゲンや超音波検査が推奨されます。

 

そのようなケースでは、脂肪肝や胆石、膵炎、副腎の腫大、腎結石などがないかどうか、確認をしたほうが良いからです。人間もそうですよね?😉

 

これらの異常は、高脂血症の子で起こりやすいのですが、画像診断でなければ確認ができません。

 

血液検査だけでは見つけられない病気はたくさんありますが、それでも血液検査は病気を見つける手がかり(ヒント)を与えてくれます。

 

私たちの任務は、いかにそのヒントを見逃さないで、次の検査や治療に繋げるかです。

 

良い結果を得るためには、飼い主さまのご理解・ご協力が欠かせません。

 

飼い主さまに検査の意義や病気について、正しく理解していただけるように、これからも頑張ります!